名古屋市東区白壁にある名古屋市の公文書館は、煉瓦造及び鉄筋コンクリート3階建の洋風建築で、煉瓦積みの壁に白い花崗岩の外壁を持ち、屋根小屋組は木造である。
設計は司法省営繕課(工事監督)、山下啓次郎(工事計画総推主任:司法技師)及び金刺森太郎(設計事主任:司法技師)が担当した。
内部中央階段室はステンドグラスの窓や漆喰塗り、マーブル塗りによる仕上げが施された「ネオ・バロック様式」が基調となっている。
この建物は1922年に建設された旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎を利用したものであり、1984年5月21日に重要文化財の指定を受けた。
1989年(平成元年)10月、名古屋市市政資料館設置条例の施行により設置された。
日本全国に8つ建設された控訴院の建物のうち現存するのは名古屋と札幌のみである。煉瓦造としては最末期の大規模近代建築であり、現存する控訴院庁舎としては最古のものである。
復原会議室(3階)は この建物の中で最も格調高い部屋で内装を含め国の重要文化財に指定され、約40畳の部屋に一枚織りの絨毯が敷かれている。
シャンデリア、机、椅子などの調度品は当時のものを忠実に再現し、中央階段室 – ステンドグラスは、建築時のもので復元整備され一見の価値がある。
荘厳なステンドグラスを見ることのできる数少ない施設でもあり、ガラス は大正時代からの窓ガラスで、ガラスの博物館とも言われる。
中庭の1・2階部分のレンガは大正当時の名古屋監獄の囚人が焼いたものが残っている。
留置場(1階) は見学可能で、内部に入ることもできる。