モンゴル・アルタイ山脈の岩絵群は、モンゴルの世界遺産のひとつ。登録名が示すように、モンゴル・アルタイ山脈の3箇所の岩絵遺跡群が対象となっている。紀元前11000年ごろから西暦9世紀ごろまで、およそ12000年にわたって描かれている。
それぞれの時期における北アジアの生活様式や周辺環境の様子を伝える岩刻画が数多く残されていることが評価された。
葬礼文化と結びつく塚も数百箇所存在し、ほとんどは岩絵である。
更新世末期の岩絵に登場するのはマンモス、オーロックス、ヘラジカ、ダチョウなどの大型動物が描かれる。完新世に入ると、獲物の動物を描くだけでなく、狩人の姿も描かれるようになる。更新世から青銅器時代初期にかけての気候変動の様子も読み取ることができる。青銅器時代後期から鉄器時代にかけてと見られる時期の岩絵に描かれているのは馬を使った遊牧生活の様子。7世紀から9世紀のテュルク系民族の時期のものは、武装した騎馬像などが描かれていいる。UNESCOの世界遺産リストに登録されたモンゴルの文化遺産は、オルホン渓谷の文化的景観に続いて、これが2件目。