長野県上田市に本社を置くしなの鉄道株式会社は、県内で北陸新幹線の並行在来線を経営する第三セクター鉄道事業者である。北陸新幹線高崎駅 – 長野駅間の先行開業に際して、東日本旅客鉄道(JR東日本)から並行在来線として経営移管されることとなった、信越本線の軽井沢駅 – 篠ノ井駅間を経営する会社として設立され、同区間は1997年(平成9年)10月1日、新幹線開業と同時にしなの鉄道に移管され、しなの鉄道線として開業した。全線でワンマン運転のため、「ろくもん」を除く全ての編成に、ドア開閉や自動放送等を運転士が操作するための対応設備が搭載される。2013年3月16日のダイヤ改正実施時から2両編成の運用が開始され、3両編成のうち1本は、観光列車「ろくもん」として編成される。2015年(平成27年)3月14日時点で保有している車両は、JR東日本から譲り受けた国鉄形電車の115系のみで、3両編成15本、2両編成7本の、計59両22本が配備される。
観光列車「ろくもん」
しなの鉄道は輸送人員の減少傾向や施設・設備の更新費用の増加
経営基盤の強化などが課題となっていた。
2013年(平成25年)8月、新たな営業戦略の一環として観光列車「ろくもん」を導入し、2014年(平成26年)夏から運行開始する。
列車の愛称は沿線地域ゆかりの真田氏の「六文銭(六連銭)」に因む「ろくもん」とされる。
「ろくもん」は115系電車3両編成を改造した観光列車で、編成は軽井沢方から1号車(クモハ115-1529)・2号車(モハ114-1052)・3号車(クハ115-1021)。
内外装のデザインは、JR九州の800系新幹線や豪華寝台列車『ななつ星 in 九州』などを手がけたことで知られるデザイナーの水戸岡鋭治氏が担当した。
車体は真田幸村の武具をイメージしたという濃い赤に塗られ、内装にはカラマツやヒノキなど長野県産の木材が使用される。
1号車
ファミリーやグループ向けの車両で、中央に子供の遊び場(木のプール)を設置。
2号車
沿線地域の景観を楽しみながら食事ができるカウンター席とソファ席を配置しているほか、様々な交流や情報提供が可能となるサロンスペース、最低限の食事サービスを提供できるキッチンを設置。
3号車
2人組の旅客が個室的な空間の中で、食事を楽しむことができる車両となっている。