世界遺産 バターリャ修道院(ポルトガル)

ポルトガル・レイリア地方の都市であるバターリャにある正式名聖母マリア修道院で知られるバターリャ修道院はドミニコ修道会の修道院である。ポルトガルにおける後期ゴシック建築の傑作でありマヌエル様式も用いられ、ポルトガルの独立を象徴する建築物であり、1983年、ユネスコの世界遺産に登録された。

1383年からカスティーリャ王国とポルトガルとの間で展開されたアルジュバロータの戦いで、カスティーリャ王国軍をジョアン1世が打ち破り、ポルトガルの勝利を決定付けた。この戦いでの勝利を聖母マリアに感謝するために建設が開始された。

修道院の建設は1386年に開始され、1517年にある程度の完成を見せるが、その間にポルトガルの国王は7人が在位した。修道院の建設には15人の建築家が携わり、膨大な人的、物的資源が投入された。バターリャ修道院の建設を通して、ポルトガルは国内では未知であった建築技術、芸術様式が導入され独自の発展を遂げる。

その後、バターリャ修道院は1755年のリスボン大地震によって損害をこうむる。1810年から1811年にかけて、ナポレオン支配に対して起きたスペイン独立戦争がイベリア半島で展開されバターリャ修道院は多くの被害を受けた。1834年には、ドミニコ修道会がバターリャ修道院の建築物群から追放されると、修道院は放置され廃墟と化した。1840年、フェルナンド2世がゴシック建築の傑作であるバターリャ修道院の修復を宣言し、作業は20世紀の初めまで続く。1980年には、修道院は博物館へと転換された。

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