プラムプディング【plum pudding】

英国のクリスマスの伝統お菓子クリスマスプディング(Christmas Pudding)は、干しブドウや砂糖漬けの果物の皮などを洋酒に漬けたものに、小麦粉・卵・香辛料などを合わせて蒸したもので、プラムプディングとも呼ばれるこのお菓子、イギリスではクリスマス当日の12月25日に楽しむものとされてきた。明かりが消された暗い部屋には青い炎が浮かび上がり、ブランデーの芳しい香りが立ち込める。炎が消えたら、温まったプディングを切り分け、好みでブランデークリームをかける。干しぶどうとナッツが詰まってずしりと重い。芳醇で濃厚な口当たりは、日本人がイメージするプディング(プリン)とは異なる存在感がある。プディングを蒸し上げる前、願い事をしながら生地に指輪やコイン、指貫などの小物を混ぜ込む儀式が行われる場合もある。取り分けられた自分のプディングに銀貨が入っていたら、大当たり。新たな1年の幸運が約束されるといわれる。

中世のクリスマスに作られた濃厚なスープ、あるいは肉と果物が入ったポリッジがクリスマスプディングの起源とされる。
ケルト神話の収穫の神ダグザにあやかって作られたものが起源とする説もある。

16世紀までにクリスマスのシンボルとしての地位を確立した。
清教徒革命中のクリスマスでは、クリスマスプディングはミンスパイと共に製作を禁止された。チャールズ2世の時代、材料に増粘剤が加えられて現在のような固形の料理になる。

ビクトリア朝 (1837‐1901)に入ると、ヴィクトリア女王がクリスマスプディングを英国王室のデザートに採用する。
貴族をはじめ上流階級の間では、立派な細工を施した専用の型に流し込んで蒸し、柊の葉と実を飾るようになった。
以降、イギリス国民のクリスマスに欠かせないデザートとして定着した。

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