ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナとヘスース・デ・タバランゲのイエズス会伝道所群は、パラグアイにあるユネスコ世界遺産で、2013年の第37回世界遺産委員会終了時点では、パラグアイ唯一の世界遺産である。
パラグアイのイエズス会伝道所群は、17世紀から18世紀に南アメリカ大陸各地に築かれた先住民のキリスト教化のための小規模集落群で、パラグアイには現在ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナ、ヘスス・デ・タバランゲ、サン・コスメ・イ・ダミアン (San Cosmé y Damián) の3つの遺跡が残るが、最初の二つが世界遺産に登録された。
ラ・サンティシマ・トリニダー・デ・パラナは、地元の人々からは単に「トリニダー遺跡」と呼ばれ、パラグアイ南部やアルゼンチン北部を含むパラナ川流域に残る伝道所跡の一つ。この伝道所は自給自足の集落が企図され、中央広場、大教会、集会場、学校、作業場、博物館、先住民用の住居群などを備えていた。1767年のイエズス会退去令の後、地域でのイエズス会の影響が薄れ、トリニダーも廃れた。廃れた後のトリニダーは風化作用で朽ちていったが、近現代の各体制は修復作業を行い、今日では遺跡の保存状態は良好である。
ヘスース・デ・タバランゲは、1685年に築かれたイエズス会伝道所であるが、未完成のまま打ち棄てられたため、教会も土台部分しか残っていない。パラグアイ政府が手厚い修復を行い、整備された公園の中に整然と威容をたたえて遺されている。教会の脇から続く建物は教育施設、作業場と続いており、裏には自給自足のための畑が広がる。
アスンシオンは郊外の都市とともに、人口200万人を超す。アスンシオン都市圏を形成するパラグアイ共和国の首都で、その名前の由来は「聖母の被昇天 」である。アメリカ合衆国の首都のワシントンD.C.などと同様、アスンシオンはパラグアイのどの州にも属さない特別区になっている。