藤前干潟

名古屋港西南部の庄内川、新川と日光川の河口が合流する名古屋市港区藤前地区の地先に広がる干潟で、面積はおよそ350 ha。潮位が名古屋港基準面で70 cm以下になると、干潟が海面の上にあらわれる。伊勢湾に残る最後の大規模な干潟で、シギ・チドリ類、オナガガモ・スズガモのカモ類などの渡り鳥の飛来地として有名。

2002年(平成14年)11月1日に国指定藤前干潟鳥獣保護区に指定(面積770 ha、うち特別保護地区323 ha)、同年11月18日にラムサール条約に登録された。1950年代以前には藤前干潟がある伊勢湾最奥部には広大な干潟が広がっていたが、港湾開発・工場用地・農業用地の埋立開発により、そのほとんどが消滅した。

名古屋市愛岐処分場(岐阜県多治見市)が2001年に満杯予定であったことから名古屋市が藤前干潟の一部を埋立る開発計画を立てたが、環境庁や住民団体などの反対により埋立は撤回された。干潟には不法投棄や河川の上流から漂流ゴミが多く、アシ原などの窪地などに大量のゴミが堆積している。クリーン大作戦などの清掃活動が行われているが、流入するゴミに対応し切れていない。

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