マダマ宮殿 (Palazzo Madama) イタリア、トリノ

ミラノ中央駅から電車で約1時間、イタリア北西部、ピエモンテ州の都市トリノはローマ時代に起源をもち、イタリア最初の首都となった街。トリノの街並みはフランスに似た雰囲気があるが、16世紀、サヴォイア家がフランスからトリノへ移り、ローマ建築が多かったトリノに豪華な装飾のバロック様式の建造物を導入したことによる。

トリノの街は世界遺産に登録された王宮・マダマ宮殿を中心にし、碁盤の目のように広がる。広い道路はなく、歩道も車道も多くが石造りで、街中には偉人や英雄の名をつけた大小さまざまな広場がある。

カフェがいたるところにあり、一番人気はエスプレッソ。砂糖をたっぷり入れて甘くして飲むのがイタリア流と言われる。

マダマ宮殿(Palazzo Madama)

カステッロ広場に面する古代ローマ時代の砦があった場所で、13世紀、ローマ門の跡に建てられた。アウグストゥス時代の城砦の一部を基礎に、幾世紀にもわたる増築・補修が重ねられた。18世紀の建築家ユバラの手になる西側正面の部分は均整のとれた美しさで知られる。

17世紀にヴィットリオ・アメデオ1世の未亡人、後に摂政を務めたマリー=クリスティーヌの居城として使われたことから「夫人宮殿」を意味する名がつけられた。数世紀の間に刑務所、兵舍、王家の収蔵庫、上院、裁判所などとして使われた。宮殿内に市立古代美術館が併設され、中世期から17世紀までのピエモンテの芸術品が展示されている。

1997年、「サヴォイア王家の王宮群」の名称で世界遺産(文化遺産)に登録された。アーチ状のアーケード、ポルチコ(イタリア語:Portico)は、建物の玄関に導くための柱列として拡がるポーチで、柱で支えられたり壁で囲まれた歩道上に屋根がある構造となっている。街じゅうに張り巡らされ、全長はおよそ16kmに及びヨーロッパで最長のものである。サヴォイア家の貴族が雨に濡れずに歩けるようにするために建設されたと伝わる。

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