プエブロインディアンのアナサジ族の残した断崖をくりぬいた一連の集落遺跡群、スペイン語で、緑の台地という意味で、1906年7月29日に国立公園として制定され、1978年9月6日に世界遺産 (文化遺産) に登録、1987年5月29日にアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定された。
1874年にメサ・ヴェルデ遺跡の存在は知られたが、本格的な考古学的調査は、1888年に当地の牧場主リチャード・ウェザーリルによって「クリフ・パレス」が発見され、調査で108ヶ所に及ぶ断崖をくりぬいた集落を確認してからとなる。1891年、考古学者ジェズ・ウオルター・ヒュークス(J.W.Fewkes)とスウェーデン出身の 地質学者グスタフ・ノルデンショルドにより、初めて本格的な発掘調査がされる。
1世紀ごろ、農耕民であるアナサジ族が住み始めたと推測され、8世紀ころまでバスケット・メーカー文化と呼ばれる独特なかご作りで知られる文化を築いていた。9世紀ころからキヴァという儀式を行う施設を伴う日干し煉瓦の壁によって区画された集落遺跡を築くようになり、プエブロ文化と呼ばれる。
12世紀頃、外敵の襲来に備え本格的な「岩窟住居」を作り、住み始めたと考えられている。同時期の遺跡では、ニュー・メキシコ州北西部、半円形の壮大なプエブロ・ボニート遺跡を中心とするチャコ・キャニオンの遺跡群が知られる。
その他、ユタ、コロラド、アリゾナ、ニュー・メキシコ4州の州境が1点に集まるフォー・コーナーズ周辺に、数多くの遺跡群が見られる。14世紀頃、とつぜん放棄されたと推測されているが、クリフ・パレスといわれる「岩窟住居」の遺跡は200室ほどあり、一番高いところでは、4階建て相当の高さとなり、高級マンションのようでもある。