大津 石山寺 瀬田の唐橋

石山寺は滋賀県大津市石山寺1丁目にある東寺真言宗の寺で本尊は如意輪観音。開基は良弁で京都の清水寺や奈良県の長谷寺と並ぶ有数の観音霊場で、西国三十三所観音霊場第13番札所。

『蜻蛉日記』『更級日記』『枕草子』などの文学作品にも登場し、『源氏物語』の作者紫式部は石山寺参篭の折に物語の着想を得たとする伝承がある。歌川広重の「近江八景」の「石山秋月」でも知られる。

また、「近江八景」では「瀬多夕照」として往時の唐橋が描かれている。瀬田の唐橋は滋賀県大津市瀬田の瀬田川にかかる橋で全長260m、勢多の唐橋、瀬田の長橋とも言われ、宇治橋、山崎橋とならんで日本三古橋の一つとされてきた。瀬田川にかかる唯一の橋であった瀬田の唐橋は、当時京都防衛上の重要地であったことから、古来より「唐橋を制する者は天下を制す」と言われた。

宗長(室町時代の連歌師)の歌で「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」急がば回れの語源とされている。当時、京都へ向かうには、矢橋から琵琶湖を横断する海路の方が瀬田の唐橋経由の陸路よりも近くて速いのだが、比叡山から吹き下ろされる突風(比叡おろし)により危険な航路だったため、このような歌が歌われた。松尾芭蕉も旅の途上にてこの橋を詠む。五月雨に隠れぬものや瀬田の橋。橋桁の忍は月の名残り哉

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