スペイン北西部の都市ルーゴ(Lugo)は、山で囲まれた盆地で近くをミーニョ川が流れる。ガリシア州ルーゴ県の県都で、州では第4位の人口を有する。旧市街を取り囲むローマ時代の市壁は、ローマ時代の市壁としては保存状態が良好で、欠けることなく街を360度取り囲んでいる。市壁の高さは10メートルから15メートル、長さは2.5km、71の塔を持つ。
2000年に「ルーゴのローマ城壁」としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。ルーゴは紀元前26年から12年にかけて、アウグストゥスの軍団長によって建設され、「ルクス・アウグスティ」と名付けられた。カンタブリアとの戦争による駐屯地の跡に建てられたもので、アウグストゥス時代の拡張政策の産物都市である。
のちに、イベリア半島北西部のローマ属州ガラエキアの3つの都の1つとなった。紀元3世紀終わりから4世紀始め、ローマ帝国後期に市壁が建設されたが、ローマ時代以降は無人となり中世初期に住んでいたのは聖職者だけだったという説もある。

1129年、ロマネスク様式のカテドラルの建設が始まり、中世後期には、サンティアゴ・デ・コンポステーラのように巡礼の中心地となった。
この地域には、モンドニェードやリバデオのように産業が盛んな都市はほかにもあったが1833年、現行の県制度が導入されてルーゴ県ができ、ルーゴが県都となる。