鉄筋鉄骨コンクリート造りの名古屋城天守閣の木造復元計画を進める名古屋市は29日、設計、施工を一体的に担う事業者に竹中工務店(大阪市)を選んだ。
同社の提案によると総工費は約470億~500億円で、東京五輪・パラリンピック前の2020年7月完成を目指す。総工費は、市が目安としていた270億~400億円を上回っており、短い工期や財源に市議会から異論が出そうだ。
市は、市民アンケートを実施した後、市議会に竹中工務店との契約に関する議案を提案する方針。市によると、安藤ハザマ(東京)も提案したが、復元の忠実さなどから、竹中工務店を選定した。
河村たかし市長は29日、ちょんまげ姿で記者会見し、総工費の削減に努めると強調。「名古屋の人間としてこんなにうれしいことはない。世界中から多くの人が来る」と述べた。天守閣は1945年に空襲で焼失。59年に再建したが、老朽化が進んでいる。耐震補強の場合は約29億円かかる。