アントニオ・ヴィヴァルディ 協奏曲第2番 ト短調 RV 315「夏」(L’Estate)

「四季」(イタリア語:Le quattro stagioni、英語表記はThe Four Seasons)は、イタリアの作曲家・アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲された、12楽章から成るヴァイオリン協奏曲集。《和声と創意への試み》 (Concerti a 4 e 5 “Il cimento dell’armonia e dell’inventione”) 作品8(1725年に出版された12曲のヴァイオリン協奏曲集)の内、 第1集すなわち第1曲から第4曲までの「春」「夏」「秋」「冬」に付けられた総称である。ただし、ヴィヴァルディ自身による命名ではない。「四季」の各協奏曲はそれぞれ3つの楽章から成っている。それぞれの楽章にはソネットが付されていて、作者は不明である。このソネットゆえ、この曲は標題音楽に分類される。ヴィヴァルディはこの「四季」で新しい旋律法やダイナミズムを追求したとされているが、既にこの作品以前から彼ならではの兆候はあった。1725年に発刊され、モルツィン伯爵ヴェンツェスラウに献呈されている。

協奏曲第2番 ト短調、RV.315「夏」(L’Estate)アレグロ・ノン・モルト-アレグロ (04 – Vivaldi Summer mvt 1 Allegro non molto – John Harrison violin.ogg Vivaldi Summer mvt 1 Allegro non molto[ヘルプ/ファイル])かんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人と羊の群れはぐったりしている。松の木も燃えそうに熱い。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトの囀りが聞える。北風がそよ風を突然脇へ追い払う。やって来る嵐が怖くて慄く。ヴァイオリンの一瞬一瞬の“間”に続いての絶え間ない音の連続が荒れる嵐を表現している。アレグロ・プレスト・アダージョ (05 – Vivaldi Summer mvt 2 Adagio – John Harrison violin.ogg Vivaldi Summer mvt 2 Adagio[ヘルプ/ファイル])稲妻と雷鳴の轟きで眠るどころではない、ブヨやハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。それは甲高い音でソロヴァイオリンによって奏でられる。プレスト(夏の嵐) (06 – Vivaldi Summer mvt 3 Presto – John Harrison violin.ogg Vivaldi Summer mvt 3 Presto[ヘルプ/ファイル])嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と雹(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。

アントニオ・ヴィヴァルディ 協奏曲第2番 ト短調 RV 315「夏」(L’Estate)から一部分だけ

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