2009年から復元工事が始まった「名古屋城本丸御殿」が、10年におよぶ復元計画が終わり、2018年6月8日に完成公開された。完成公開の6月8日は、9時10分から名古屋城本丸御殿玄関車寄前でオープニングセレモニーが開催され、名古屋出身の俳優・舘ひろしさんの名古屋城アンバサダー就任、名古屋市長 河村たかし氏のあいさつ、くす玉開披など。江戸時代に尾張藩が保全した森林は現在も豊かな自然を残し、「木造平屋建こけら葺き書院造」には、築城当時と同じ木曽檜が使用される。焼失を逃れた1049面の障壁画、309枚の実測図、約700枚の写真、約2000個の礎石などの史料から復元され、上洛殿の障壁画は、「狩野探幽」による山水(水墨画)である。
名古屋城本丸御殿は、尾張藩主の住居・藩の政庁として1615年(慶長20年)に徳川家康の命によって建てられた。1929年(昭和4年)に国宝保存法が施行され、 1930年(昭和5年)に名古屋城天守閣、本丸御殿等が国宝第一号に指定された。しかし、1945年(昭和20年)の空襲により建物の大部分を焼失した。
名古屋城の築城と復元の歴史
1610年:名古屋城築城に着手
1615年:本丸御殿が完成
1930年:天守閣とともに建物が国宝指定される
1945年:戦災により天守閣とともに焼失する
1992年:障壁画復元模写開始
2006年:基本設計
2009年:復元工事着手
2013年:第一期公開(玄関・表書院など)
2016年:第二期公開(対面所・上御膳所など)
2018年:完成公開(上洛殿・湯殿書院・黒木書院など)