農村景観日本一地区では穏やかな岩村盆地の中に、昔ながらの農家や土蔵が点在する。周りは盆地を形成する緑の低い丘や遠く三河・尾張と境を接する山々が二重・三重に連なる、「農村景観日本一」の称号は、平成元年に全国の環境問題を専門に研究している、京都教育大学・木村教授が付けた。日本が戦後失ってしまった「心のふるさと」、そして古代・仁徳天皇が見たであろう“カマドの煙”の景色をも彷彿と感じとることができる。また、この景観は「第7回日本のむら景観コンテスト」の集落部門で農林水産大臣賞(最高賞)も受賞している。
築城から800年あまり、日本三大山城の一つ岩村城は、日本百名城にも選ばれている。恵那市街地から車で約20分の岩村町は、戦国の世に必死に生きた、おんな城主の逸話が残る。織田信長の叔母にあたる、おんな城主「おつや」が、激動の戦国時代を凛として生き、善政を敷き、最後まで領民を守ったと伝えられ ていることから「女城主の里」と呼ばれる。