グラーツ歴史地区 (オーストリア)

グラーツは首都ウィーンの南西150キロ、ムール川沿いに位置する大学都市。
ウィーン・マイドリング駅からグラーツまで、特急列車で2時間40分ほど、歴史地区へは、駅から路面電車を利用するのが便利で、所要時間は、街の中心、市庁舎前広場まで約10分。

グラーツはかつてのハプスブルク家の居城都市であり、街中でその歴史を感じることができる。1999年に街の中心部がグラーツ市歴史地区として世界遺産に登録(2010年に拡大登録)される。

華やかなルネッサンス様式の中庭のある州庁舎、世界最大規模の中世武器コレクションを展示する州立武器博物館、グラーツ宮とゴシック様式の大聖堂、皇帝フェルディナント2世の霊廟などハプスブルク家の遺産は「街の王冠」と呼ばれる。
グラーツのシュロスベルク(城山)、かつて「歴史上最強の城塞」が存在し、城塞の一部は今も保存される。時計塔はグラーツの歴史的シンボルとして知られる。

市内にはいくつもの美術館・博物館が点在する。郊外に位置するエッゲンベルク城は、州立博物館アルテ・ギャラリーとして公開され、ビザンティン美術から19世紀絵画までを取り揃えている。

2007年には江戸時代に描かれた日本の屏風絵も発見され、豊臣時代の「大坂図屏風」は、これまで豊臣時代の大坂を描写した絵画資料が少なかったため、貴重なものである。エッゲンベルク城は2010年に世界遺産に拡大登録された。

建築の宝石箱と呼ばれるオーストリアの「グラーツ歴史地区」であるが、「建築の宝石箱」と呼ばれる訳は、さまざまな時代の質の高い建築物が保存状態も良く狭い旧市街の中に調和を保って残っていることによる。

寒いグラーツに残る南国イタリアのルネサンス建築、丘の上にある巨大な時計塔、3万点の武器を納めた武器庫、歴史地区の中に「巨大なナマコ」、もしくは「エイリアンの乗った宇宙船」とも評される驚異の建造物と、謎も多い都市である。

美しき青きドナウ・・・グラーツ歴史地区 (オーストリア)

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