約4,000年前、大室山の噴火で溶岩が流れ出し、海水の侵食作用で削られ、約9kmにわたる雄大で出入りの激しい城ヶ崎海岸ができた。海岸線には絶壁が連なり、深く入り組んだ岩礁が岬から岬へと続く。富士箱根伊豆国立公園に指定されている。
地元の漁師がつけたと言う「もずかね」「しんのり」などのユニークな名前の岬、紀州公ゆかりのぼら納屋、四季を通じて花が咲く伊豆海洋公園、日蓮上人ゆかりの蓮着寺、水原秋桜子句碑など自然と歴史文化をめぐる見どころが多い。
門脇崎灯台は、昭和35年3月に建設され、平成7年5月に展望台付きの灯台に改築された。展望台からは、遠く伊豆七島や天城連山の峰々を望むことができる。門脇灯台を中心に全長9kmのハイキングコースがある。
半四郎落しと門脇岬の間の海蝕洞にある門脇崎の海の吊り橋は、長さ48m、高さ23m、断崖絶壁のスリルを味わうことができる。ピクニカルコースの起点ぼら納屋は、ぼら漁の根拠地。ぼら回遊の春と秋には漁師が住みこみ、ホラ貝や旗を合図に出漁し、取ったぼらを江戸城に献上したという。ぼら納屋を起点として、門脇吊橋を経由、伊豆海洋公園までの全長約3km。
のんびり歩いて約90分の城ヶ崎ピクニカルコースには、幕末頃の砲台跡、城ヶ崎ブルース歌碑、門脇吊橋などの見所がある。自然が造成した景観を満喫できる約6kmの自然研究路は、蓮着寺より八幡野までの全長6kmのコースで、ゆっくり歩いて3時間。
切り立った絶壁、柱状節理の岩壁、流れ出た熔岩の岬、波に浮かぶ伊豆七島、這松の林、植物の群落と大自然を満喫できる。鎌倉幕府により伊豆に流された日蓮上人は、日蓮岬の沖にある俎岩に置き去りにされたと伝えられ、後に小田原北条氏の今村若狭守が、ゆかりにちなんで祖師堂を建て、付近の土地七十町歩を寄進したのが蓮着寺の始まりと伝えられる。広大な寺の境内の美しい自然林の中には上人ゆかりの「袈裟かけの松」や「石食いのモチの木」などがある。