スペイン語で「鳩」を意味し、ハバナを去る自分を鳩に托す歌詞を持つ。
イラディエルはキューバに滞在したときに当地のハバネラについて知り、このリズムを使って書かれたのが『ラ・パロマ』である。
正確な作曲年は不明だが、マドリードの著作権管理局に1859年のイラディエル作曲「ラ・パロマ(ピアノ伴奏つきアメリカ歌曲)」(La Paloma (Canción Americana con acompañamiento de Piano))として登録されているのが文献上の初出である。
メキシコでは第二帝政時代の1866年にソプラノ歌手のコンチータ・メンデスがこの曲を歌って非常に有名になり、今もメキシコ音楽と思っている人が多い。
スペイン語圏に限らず、世界各地の言語で歌われている。1961年の映画『ブルー・ハワイ』でエルヴィス・プレスリーの歌う「ノー・モア」も本曲の編曲に英語の歌詞を加えたものである。
ドイツでは1944年の映画『グローセ・フライハイト7番地』で主人公を演じたハンス・アルバースの歌う「ラ・パロマ」がヒットし、1958年にビリー・ヴォーンのオーケストラ版、1961年にフレディ・クイン(英語版)の歌った「ラ・パロマ」がミリオンセラーになった。
チェコでは「Hřbitove」(墓場にて)という全然異なる歌詞がつけられ、曲調もかなり変化している。