『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(Eine kleine Nachtmusik)

「ああ、いいね。暗いね。夜の音楽」と言っていたのは芥川也寸志。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したセレナードのひとつ、『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』(Eine kleine Nachtmusik)ト長調 K.525。

ドイツ語でEineは女性形の不定冠詞、kleineは「小さな」の意の形容詞kleinの女性形、Nachtmusikは、Nacht(夜)+Musik(音楽)の合成名詞で、「小さな夜の曲」という意味。かつて「小夜曲」と訳されていたが、今ではほとんど使われなくなっている。

この題名はモーツァルト自身が自作の目録に書き付けたものである。モーツァルトの自作の目録には第2楽章のメヌエットとトリオを含む5楽章として記載しており、元来5楽章からなっていたと考えられる。第2楽章は散逸しており、下記のような4楽章形式で演奏される。ただし、他のメヌエットを第2楽章に充てて5楽章形式で演奏される例もある。

第1楽章:アレグロ、 ソナタ形式 ト長調 4/4拍子
第2楽章:ロマンツェ(アンダンテ) 三部形式 ハ長調 2/2拍子
第3楽章:メヌエットとトリオ(アレグレット) ト長調 3/4拍子
第4楽章:ロンド(アレグロ) ロンド形式 ト長調 2/2拍子