ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(Jean-Baptiste Camille Corot)

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(Jean-Baptiste Camille Corot 1796年7月17日 – 1875年2月22日)は、詩情あふれる森や湖の風景画で知られるが、その一方で、『真珠の女』のような人物画にも傑作がある。1825年から計3度イタリアへ旅行し、イタリア絵画の明るい光と色彩にも影響を受けている。理想化された風景でなく、イタリアやフランス各地のありふれた風景を詩情ゆたかに描き出す手法はのちの印象派の画家たちにも影響を与えた。

自然に即した風景画家として注目を浴び、のちのバルビゾン派の聖地となるフォンテーヌブローも森も早くから描いた。詩的な画風で、作品も国家買上げとなる。55年パリ万博美術展でグランプリに輝き、その後、色調が銀灰色を帯びた叙情的な神話の風景画が多くなつてゆく。ドーミエら貧しい画家たちに援助を与え、ペール・コロー(コロー親父)と慕われた。若い世代の印象派画家にも大きな影響を与えた。